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ネタバレ有【感想メモ】ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結

固有名詞ちりばめ系のIQ低い感想です。

 

今年、『竜とそばかすの姫』ぶりに、映画館で複数回観るくらい好きな作品となりました!(←スパンが早い)

 

↓ メインテーマ。「ダダダダダ~」しかメロディーが無いふざけた感じがまた良いw

前作『スーサイド・スクワッド』(2016年)を観ているかいないか関係なく、冒頭10数分「ハーレイ・クインはさておき、今作で『スーサイドスクワッド』として出てくる悪役ヒーローって誰やねん、誰も知らない……」という「アメコミわっかんねー」な一般映画ファンの心理を逆手に取った、大変不謹慎な爆笑ギャグをやってのけたことが、本作の白眉でした(ハーレイがいるので、この人たちが本当?のスーサイドスクワッドと思いきや、という……!!)。

この全面にふざけ散らかした感じ、タランティーノ監督作品を思い出したりしました。冒頭からこうなので、だから以下、本作基本的に大好きでした。

 

↓ 下記、冒頭の、あまりにふざけた冒頭から~オープニングクレジットにかけ、の正味10分くらいでしょうか? しょうもない理由でほぼ全滅(自滅)した第一隊の死体を映しながら、かけてくる曲が「People Who Died」と、バカにしているのもほどがある(褒めています)

映ってる絵の悲惨さ(しかし死んだ理由が馬鹿w)とノリが良いこの曲という組合せ、選曲wwwwwwwwwと、手を叩いて観てしまった(ガーディアンズ~の時もそうでしたがジェームズ・ガン監督のリミックスセンスは本当にカッコいい。こうして自在に過去の名曲を引用できることに憧れる)

 

全体としては、とにもかくにもR15にしてきたところが好みで、潔さも感じました。

前作スーサイドスクワッドがほぼ記憶にないので、この点は本当に!!! この血の量こそ、品行方正なマーベル≒ディズニーには出来ない悪党映画として、似合う!

映画冒頭で小鳥を殺したじいちゃんが、逆に敵前逃亡して爆死された後、遺体の一部を鳥についばまれてしっかり飲み込まれる……という描写をしている時点で、心の中で5,000,000億回「いいね!」を押しました。

途中、ブラッドスポートとピースメーカーが、実は全く悪くなかった市民軍のアジトで無意味に殺人技巧を競い始めて村人をほぼ全滅させるところ、それこそディズニープリンセスばりに歌いながら洗濯していた女の人を、上から吹き矢で殺すところとかも、監督の悪趣味が伝わってきて本当に好き。

ラストもラストでまた、ラスボス「ヒトデ大王」の安っぽさ、並びに、ヒトデ大王に身体を乗っ取られた(??)遺体の安っぽいグロさもまた、たまらなかったです(でも冷静には可哀相……という怒り感も含めての、あえての安っぽさを粋に感じました)。

 

ですが、最後の最後は……

一応の主人公である「ブラッドスポート」が、幼少期のトラウマから「ネズミが大の苦手」となっていたことを克服し、ラッドキャッチャー2の愛鼠(?)セバスチャンに対して、自らのトラウマに打ち克ち、撫でる場面で終わります。

クライマックスのアイツは星条旗のメタファーだとか米国の描写とかはありますがそれはまぁ普通のマーベル映画でもそれくらいのことをやってくれるので(?)、グロと悪趣味へ遊びながら、邪道から王道を攻めるスタンスが、スーサイドスクワッドというキャラクターたちそのもののコンセプトとも合致していて、大変好きな作品になりました。

 

ちなみにですが、記憶が正しければ作中、この鼠のセバスチャンを「ラタトゥイユ」呼ばわりしてたのですが(≒「ラタトゥイユ」は『レミーのおいしいレストラン』原題……とまぁ、ネズミ=ミッキーマウスのイメージに対して喧嘩を売ってる感じが最高)、いちいちツボを押してきました。

そもそも、ミッキーマウスは、20世紀冒頭の不衛生なアメリカで鼠を、現実にありえない清潔無菌な存在へと見立てて成立させている存在だったり、……とか。

 

以上です。

素人な私でもこうなので、本当にアメコミが好きな人が観たらもっと最高な映画なんだろうなと、その楽しさや嬉しさの一部を享受でき、楽しかったです。

最初10分の「は????」となった最高最低のギャグ、ここまで書かなかったですが拷問にあったハーレイが脱出するシーンと、最後のラットキャッチャー2周り(+飛行機のなかでセバスチャンを撫でるブラッドスポート)というあたりが、印象に残った映画でした。

 

1つ文句があるとすれば、若干、ラッドキャッチャー2にヒロイン要素(スーサイドスクワッド隊のどの男性に対しても理想的なふるまいをしている理想の女の子感)を寄せている感じが、少しだけ気持ち悪く思ってしまった……。鼠の延長戦上でサメに対し友好的なのはまだしも、ブラッドスポートの疑似娘になったり、チーム内で唯一ポルカドットマンへ初めから理解を示し応援するといった役割、ラッドキャッチャー2が本当にいい人でそうなっちゃうのはわかるが、そこまでやらなくていいよ……と言いたい。

 

クライマックスはじめ、何だかんだハーレイクインとラッドキャッチャー2で決着している物語だということについて、我らがsaebouさんが面白い考察をしており、面白かったです(トートロジー

 

拷問時のハーレイ、「わ~たしはひとりぼ~っち」みたいな謎の歌を歌っていて頭おかしいな(最高だな)と思っていたんですが(破局したジョーカーが来ないのはさておき新しい彼氏も殺しちゃったばっかりだし、なんかそういう気持ちになりそうだよな、かわいそうだな……と思ったけど笑った)、その後に花を散らせながら(???)ばったばった兵士を殺してくるシーンにかかるLouis Prima "Just A Gigolo I Ain't Got Nobody"のサビを先行して歌っていたんですね。わからなかった、ごめんね……

 

♪ I ain't got nobody
Nobody cares for me, nobody, nobody cares for me
I'm so sad and lonely

 

 

記憶が確かならば最後、ラットキャッチャー2が勝利する際にかかっていた音楽。鼠たちと、鼠を愛する人間による仕事に対し「Dirty Work」、曲名だけで泣かせるし、ジェームズ・ガン監督のリミックスセンスは本当にカッコいい。こうして自在に過去の名曲を引用できることに憧れる(2回目)

 

生まれ変わったら、古今東西の洋楽を自在に操るDJになりたい